第7回(最終回)「結局のところ一番偉いのはジョン・カサヴェテス監督なのか? それとも神代辰巳監督なのか?」

百年を超える映画の歴史の中で、本当の意味で映画における俳優たちの身体表現を刷新した映画監督は数少ない。そして撮影所システム崩壊後の60年代から70年代、映画はふたりの才能溢れる映画監督たちによって思いもよらぬ俳優たちの演技、身体表現を見せつけられるに至る。ジョン・カサヴェテス、そして神代辰巳。彼らの映画以降、本当の意味での新しい演技はいまだスクリーンに登場していない。この衝撃の事実を私たちはどう受け止めればよいのか。二人の偉大な映画監督の代表作『こわれゆく女』と『恋人たちは濡れた』を再見し、映画における演技、身体表現の“もうひとつの可能性”について考察し、講義の締めくくりとする(塩田明彦)