「ジョン・カサヴェテスvs.フィルム・ノワール」
吉田広明(映画批評家)

 インディペンデントの雄ジョン・カサヴェテス。彼が主演のTV『ジョニー・スタッカート』(1959—60)は、グリニッジ・ヴィレッジのジャズ・クラブを根城にする探偵が主人公。ニューヨークの路上にカメラが持ち出されるこのTVシリーズで、フィルム・ノワールとインディペンデントが遭遇する。『アメリカの影』を撮ったばかりのカサヴェテスが、いかにノワールに対処したか。『ジョニー・スタッカート』を通し、アメリカ映画の転換期を考える。