蓮實重彦(映画批評家)

ヴィシー政権下のフランス映画はある種の繁栄を誇っていたが、その「奇妙な繁栄」を支えたロベール・ブレッソンの処女作には、「繁栄」を遙かに超えた妖しい美しさがみなぎっている。