特集 ベルリン派の作家たち
Retrospektive - Berliner Schule

2013年8月17日(土)-8月23日(金)(7日間)
会場:渋谷アップリンク

晴れた日

渇望

幻影

現代ヨーロッパ映画のもっとも重要なムーブメントの一つとして、世界の注目を集める「ベルリン派」の作品を特集。ペッツォルト、アルスラン、シャーネレクなど、ドイツ映画の新しい波を作り出した作家たちの代表作10作品を一挙上映。

作品解説:渋谷哲也(ドイツ映画研究者)

作品解説1「晴れた日」「バンガロー」「スリーパー」
http://youtu.be/d0qN8M9r5DM


作品解説2「幻影」「渇望」「ピンポン」
http://youtu.be/dVwfUN2q0pI


作品解説3「昼下がり」「休暇」「イェラ」「イン・ザ・シャドウズ」
http://youtu.be/q1kCOLHgAzs

ファスビンダーの死後、ドイツ映画は国際的な注目を失っていた。その沈黙を破ったのが2000年代初頭の「ベルリン派」の台頭である。フランスでは「ヌーヴェル・ヴァーグ・アレマーニュ(ドイツの新しい波)」と呼ばれた。日常的な事柄に目を向け、スペクタクルや饒舌とは無縁に映像本位でドラマを紡ぐ繊細な作品群は、当初から批評で絶賛された。だが興行的な成功からは遠く、おそらくそこに「ベルリン派」の知名度があまり上がらなかった理由があるのだろう。だが90年代から活躍しているペッツォルト、アルスラン、シャーネレクは自己の作風に忠実にさらに大きな歴史や物語の世界を指向している(ペッツォルトは東ドイツの過去に、アルスランは19世紀末の西部開拓の世界に)。アピチャッポン、ダルデンヌ兄弟などの影響も語られる「ベルリン派」の映画は、映像への信頼によって生み出された珠玉の作品群である。戦後ドイツ映画がずっと実現しえなかった、いわば<純粋映画>がそこにある。

渋谷哲也(ドイツ映画研究者)

上映作品の解説はこちら

■上映スケジュール
8月17日(土)
13:00-「晴れた日」(74分)
17:00-「休暇」(91分)
19:00-「イン・ザ・シャドウズ」(85分)
20:50-「イェラ」(89分)

8月18日(日)
13:00-「幻影」(85分)
17:00-「ピンポン」(89分)
19:00-「渇望」(85分)
20:50-「昼下がり」(97分)

8月19日(月)
13:00-「イェラ」(89分)
17:00-「昼下がり」(97分)
19:00-「バンガロー」(84分)
20:50-「休暇」(91分)

8月20日(火)
13:00-「渇望」(85分)
17:00-「晴れた日」(74分)
20:50-「イン・ザ・シャドウズ」(85分)

8月21日(水)
13:00-「バンガロー」(84分)
17:00-「スリーパー」(99分)
19:00-「ピンポン」(89分)
20:50-「幻影」(85分)

8月22日(木)
13:00-「スリーパー」(99分)
17:00-「休暇」(91分)
19:00-「昼下がり」(97分)
20:50-「渇望」(85分)

8月23日(金)
13:00-「ピンポン」(89分)
17:00-「イン・ザ・シャドウズ」(85分)
19:00-「イェラ」(89分)
20:50-「晴れた日」(74分)


ベルリン派とは

2000年代初頭にドイツで台頭した独自の映像美学を持つ映画作家たちを指す。ドイツのメディアによる命名であり、すでに90年代から映画制作を始めていたペッツォルト、アルスラン、シャーネレクがベルリン・ドイツ映画テレビアカデミーの同窓生だったことがその由来の一つである。だが、実際のところ、各作家たちの出身地や活動はベルリンに限っていない。長回しや自然光の多用、日常的な場面を淡々と撮る映像スタイル、登場人物の現実を追体験させるような作風が特徴である。アントニオーニ、ブレッソン、カサヴェテスなどの影響が語られることもある。(渋谷哲也)



■全作品日本語字幕付き
■各回入れ替え制

■料金

一般=800円

ドイツ文化センタードイツ語講座受講生・アテネ・フランセ文化センター会員・アップリンク会員=600円

■会場

渋谷アップリンク
東京都渋谷区宇田川町37-18
トツネビル1F・2F
TEL. 03-6825-5502