映画一揆外伝 ~破れかぶれ~
干潟映画特集
東京干潟 × 蟹の惑星 × 漂着物

2021年8月28日(土)
会場:アテネ・フランセ文化センター

東京干潟

蟹の惑星

漂着物

今回の映画一揆外伝では、干潟を焦点に当てた映画『東京干潟』『蟹の惑星』『漂着物』を3本立てで上映。村上浩康(映画監督)と井土紀州(脚本家/映画監督)によるトークショーも開催します。

緊急事態宣言の延長に伴う販売席数変更のお知らせ

新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の延長に伴い、本特集の販売席数を79席に減席いたします。
ご理解のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

アテネ・フランセ文化センター

東京の辺境、向けるまなざし

今回の映画一揆外伝~破れかぶれ~は干潟映画特集と題して『東京干潟』『蟹の惑星』とスピリチュアル・ムービーズ製作『漂着物』の上映会を企画する。
『漂着物』は2017年に製作した井土紀州監督作品。2020年に開催される予定であった東京オリンピック後、東京湾の片隅が舞台で、主人公は干潟に流れ着いた漂着物を漁って生計を立てている。その後、『東京干潟』『蟹の惑星』の予告篇を都内の劇場で見た私たちスタッフは『漂着物』を強く想起させられた。そして映画を実際に見て、その感覚が間違いではなかったと確信する。それは舞台が共に干潟であることはもちろんだが、東京オリンピックの影響で変わりゆく土地を見つめるまなざし、また干潟という土地に呼ばれたかのように物語を背負った人間が集まる、ある種の磁場のようなものをカメラで捉えようという意識に作品同士が共鳴しているように感じたからである。今回の特集で作品を続けて見ることにより、干潟という映画的装置の可能性を改めて見つめ直していければと思っている。またこの特集そのものが、東京オリンピックに対する1つの投げかけになればと考えている。

映画一揆外伝スタッフ一同

■スケジュール
※チケットは15:30から販売します。

8月28日(土)

16:00 『蟹の惑星』『漂着物』(計100分)
18:00 『東京干潟』(83分)
19:30 トーク:村上浩康(映画監督)、井土紀州(脚本家/映画監督)

■上映作品

東京干潟

東京干潟
2019年/83分/HD
監督・撮影・編集|村上浩康
製作・配給|TOKYO HIGATA PROJECT

多摩川の河口でシジミを獲るホームレスの老人。彼は捨てられた十数匹の猫と共に、干潟の小屋で10年以上暮らしている。80代半ばと思えない強靭な肉体を持つ老人は、シジミを売ったわずかな金で猫のエサと日々の糧を得ている。しかし近年、一部の人々により無計画な乱獲が始まり、シジミの数は激減していく。また2020年のオリンピックを目前に控え、干潟には橋が架かり、沿岸には高層ホテルが建てられる。変わりゆく東京の姿を複雑な思いで見つめる老人。彼の脳裏に浮かぶのは波乱に富んだその生涯。九州の炭鉱町に生まれ、返還前の沖縄で米軍基地に勤務し、帰国後、建築会社を起業してバブル期の東京の街を作りあげてきた人生―。平成から令和へと時代が移ろうなか、多摩川河口の干潟で暮らす老人の生き様から戦後日本の現代史が浮き彫りになる。

蟹の惑星

蟹の惑星
2019年/68分/HD
監督・撮影・編集|村上浩康
出演|吉田唯義
脚本|佐々木宏 瀬々敬久
音楽|田中館靖子
製作・配給|TOKYO HIGATA PROJECT

多摩川河口の干潟は狭い範囲に、多くの種類のカニが生息する貴重な自然の宝庫である。吉田唯義さんは、ここで15年に渡って独自にカニの観察を続けている。吉田さんの視点はとてもユニークで、他の人が考えつかないような方法でカニたちの生態を調べている。映画は吉田さんと干潟を歩きながら、カニたちの驚くべき営みを見つめていく。カメラはカニたちに限りなく接近し、肉眼では決して捉えられない迫力あるフォルムと美しい色彩が画面いっぱいに広がる。そして小さなカニの営みが地球や月など、宇宙とも結びついていることを解き明かし、さらには戦争や震災が与えた現実の問題までを描き出す。 身近な自然に目を向けることの素晴らしさと、都市の中にあるもう一つの世界を描く全編“カニづくし”のワンダームービー。

漂着物

漂着物
2017年/32分/デジタル
監督|井土紀州
脚本|小谷香織 井土紀州
撮影|高橋和博
照明|俵 謙太
録音|中川究矢
俗音|近藤崇生
題字|翠川英人
編集|桑原広考
音楽|阿部友馬
助監督|遠藤 晶
プロデューサー|吉岡文平
製作|スピリチュアル・ムービーズ

202X年、東京オリンピックの喧騒は過ぎ去り、様々な廃墟と凄まじい量の廃棄物が残された首都・東京。都心から吐き出された多くのゴミは、潮の流れに乗って東京湾の片隅に流れ着いていた。西澤秋也は、海辺の廃墟に住みつき、流れ着いたゴミを拾って生計を立てている。隠遁者のように暮らす秋也の生活圏に、一人の女・咲が迷い込んできた。言葉を交わし、触れ合ううちに、次第に明らかになる二人の過去。それはのっぴきならぬ事態に二人を追い込んでいくのだった。

■監督紹介

村上浩康
Hiroyasu Murakami

1966年宮城県仙台市生まれ。『流 ながれ』(2012年)、『無名碑 MONUMENT』(2016年)などのドキュメンタリー映画を発表。多摩川河口の干潟を舞台にした連作『東京干潟』『蟹の惑星』(2019年)でドキュメンタリー映画としては初となる新藤兼人賞金賞を受賞。

映画一揆外伝とは

脚本家/映画監督・井土紀州が学生時代に仲間と結成し現在に至る映画結社スピリチュアル・ムービーズ。それは“魂にふれる映画”を希求する映画集団である。 スピリチュアル・ムービーズは1998年の「百年の絶唱」公開以降、「レフトアローン」「ラザロ」「行旅死亡人」など、制作と上映の実践を継続していくなか、2010年〜2011年に“怒りと祝祭の上映蜂起”『映画一揆』を各地で展開した。
2014年、『映画一揆』に遅れて参じた若者たちに牽引される形で『映画一揆外伝』が始動。スピリチュアル・ムービーズ関連作品を映画館で上映するというこれまでの枠組みを超え、より柔軟により拘り深く『映画一揆外伝』は破れかぶれに進んでゆく。
>>>映画一揆外伝のウェブページはこちら


【お知らせ】
新型コロナウィルスの感染状況により、開映時間の変更や席数の制限をさせていただく可能性があります。
ご来場前にウェブページでご確認いただくか、お問合せ下さいますようお願い申し上げます。

■料金
一律1500円(一日通し・当日券のみ)

■お問い合せ

090-4395-4852(担当:高橋)
spiritualmovies@hotmail.co.jp

■会場

アテネ・フランセ文化センター
千代田区神田駿河台2-11
アテネ・フランセ4F
JR 御茶ノ水・水道橋駅より徒歩7分
03-3291-4339

■主催
映画一揆外伝
アテネ・フランセ文化センター