グリフィスの初長編映画。当時としては珍しい四巻もので、この作品がきっかけでグリフィスはバイオグラフ社を去ることとなった。原作は同名の戯曲で、旧約聖書外伝の「ユディト記」を基にしている。ベッスリアの女王ジュディスは戦争を止めるため、単独で敵のもとへと向かう。
グリフィスが英国政府の要請を受けて作った参戦プロパガンダ映画だが、撮影前に米国は参戦した。フランスの小村に住む二つの米国人一家の娘と息子の恋模様と、独軍との対立をドラマチックに描く。リリアンとドロシーのギッシュ姉妹はこの作品で、長編映画では初共演となった。
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新聞王のケーンは「ばらのつぼみ」とつぶやきその生涯を終えた。記者のトンプソンはその言葉の秘密を探るため、ケーンと近い関係にあった人々を訪ねていく。オーソン・ウェルズの監督デビュー作。パンフォーカスや、長回し、ローアングルなどの斬新な演出が光る不朽の名作。
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シェイクスピア作品に造詣の深いウェルズが、シェイクスピアの戯曲にたびたび登場する脇役のフォルスタッフを主役に据えた野心作。フォルスタッフは皇太子ハルとともに放蕩無頼の日々を謳歌していたが、王位継承の争いに巻き込まれたことにより、次第に二人の関係は変わってゆく…。
女優を志すペギーはジョージア州から父と共にはるばるハリウッドへやってきた。必死の売り込み虚しく最初は誰からも相手にされない彼女だったが、喜劇役者のジミーと知り合ったことで、女優として注目されるようになる。チャップリンなどの豪華なカメオ出演者たちが映画に華を添える。
サイレント時代を代表するスウェーデン人監督のシェーストレムによる、MGM作品第一弾として製作された。怪優ロン・チェイニー主演の復讐劇。陥れられた学者が絶望のあまり曲場団の道化となる。一方、美しい伯爵令嬢が騎手として曲場団に入る。道化は彼女の恋を実らせようとするが…。
仕事にも家事にも恵まれ、充実した人生を送っていると信じているヒロインのソフィコが、夫に裏切られたことを知り途方に暮れる。日常の中で女性たちが直面する問題を繊細に描く。主演は『ざくろの色』でも知られるソフィコ・チアウレリ。この作品でゴゴベリーゼは国際的に名を馳せた。
久々に再会した二人の初老の女性――元スタア女優と言語学者。彼女たちはその後人生の急転回を迎える。二人を中心に、庶民たちの日常の姿を丁寧に描写する。女性の生き方に焦点を当てた作品を発表し続けたグルジアを代表する女性監督の代表作。第2回東京国際映画祭(1987)最優秀監督賞。
初めて「ドキュメンタリー」の理念を提唱し、英国記録映画運動を作ったグリアスン自身によるマニュフェスト的作品。ニシン漁を題材に、出航から操業、帰港、流通までを描く。「フラハティのように採取し、エイゼンシュテインのように編集した」と評された。
中央郵政局(GPO)の製作。ロンドンとグラスゴーを列車で結ぶ郵便局員たちの作業を描く。ナレーションと音響を効果的に用いて、きびきびとしたリズミカルな編集がなされている。ナレーションを書き下ろしたのは詩人のW.H.オーデン。
戦時中のイギリス国民の生活を描く。題名に示されるように、聴覚から情景を再構成するという構成に特色がある。ダンスフロアの音楽、歌声、稼働する工場の機械音など、喚起力に富んだ音響によってサウンドトラックが構成され、当時の人々の生活の肌触りを忍ばせる。
戦争が終結し平和が訪れようとする時期に生まれた赤ん坊ティモシーにあてられた「未来への記憶」として、戦時下の生活が綴られる。いわゆるプロパガンダ映画とは一線を画す、控えめかつ繊細な視線で戦争に傷ついた英国市民の暮らしを捉える。
グリアスンによってフランスから招かれた前衛映画の大物カヴァルカンティ監督による石炭産業の記録。詩人のW.H.オーデンがナレーションを書き、後の大作曲家ブリテンが音楽を担当。映像と言葉と音楽の掛け合いが見所で、「炭鉱のオラトリオ」と評された。