マイナードイツ映画(発掘)講座
第3回:『マテリアル』

2016年12月17日(土)
会場:アテネ・フランセ文化センター

渋谷哲也氏による、日本未公開のドイツ映画を日本語字幕付きで上映・解説する連続講義。第3回は東ドイツ生まれのトーマス・ハイゼが東ドイツ崩壊と統一ドイツ成立の過程を独自に撮影し2009年に完成した野心作、『マテリアル』を取り上げる。

1955年東ベルリン生まれのトーマス・ハイゼは東ドイツでドキュメンタリー監督として活動した。彼の映画には独裁体制下の日常の生々しい体験が刻印されている。それは厳しい検閲に対する作り手の絶望的な闘いの記録でもある。そうして彼は東ドイツという独裁国家が瓦解し新たな統一ドイツに飲み込まれてゆく流動的な時期を個人的に撮影し続けた。もはや検閲にかかることもないリアルな東ドイツ社会の失われゆく表情を捉えた歴史的ドキュメントである。映画題名が示唆するようにこれは素材(マテリアル)だ。この映像を統制する背後の権力は存在しない。私たちはここに初めて東ドイツのリアルな姿と対面することになる。

渋谷哲也(ドイツ映画研究者)

■上映スケジュール

12月17日(土)

12:00 上映『マテリアル』(166分)
14:50 講義

■上映作品

マテリアル

マテリアル
MATERIAL
2009年(166分)

監督・脚本:トーマス・ハイゼ
撮影:ペーター・バーデル セバスティアン・リヒター トーマス・ハイゼ ユッタ・トレンクル ボレス・ヴァイフェンバッハ

監督のトーマス・ハイゼが1980年代後半から2009年の現在にいたるまでの未公開の映像をつなぎ合わせ、東ドイツの内部から街、人々、運動、破壊を記憶し続けた壮大なドキュメンタリー。マルセイユ国際映画祭のコンペティションでグランプリを受賞した。


■入れ替えなし
■上映作品は日本語字幕付き

■料金

一般=1500円
アテネ・フランセ文化センター会員/学生/シニア=1300円


■会場&お問い合わせ

アテネ・フランセ文化センター
東京都千代田区神田駿河台2-11
アテネ・フランセ4F
TEL. 03-3291-4339

■主催

アテネ・フランセ文化センター

■協力

Thomas Heise