ロシア・ソヴィエト映画 連続上映
第10回 グルジア特集1

2014年9月13日(土)-9月15日(月・祝)
会場:神戸映画資料館

秋のマラソン

ピロスマニのアラベスク

傘

第10回目の節目の開催となる今回は、イオセリアーニやパラジャーノフ、ダネリヤなど、個性豊かな映画作家を多数輩出してきたグルジア映画の一端をうかがいます。どうぞお楽しみに。

■上映スケジュール

9月13日(土)

13:30 「田園詩」(98分)
15:30 「傘」「結婚」「ピロスマニのアラベスク」(計60分)
16:50 「秋のマラソン」(94分)

9月14日(日)

13:30 「秋のマラソン」(94分)
15:25 「田園詩」(98分)
17:25 「傘」「結婚」「ピロスマニのアラベスク」(計60分)

9月15日(月・祝)

13:30 「田園詩」(98分)
15:30 「傘」「結婚」「ピロスマニのアラベスク」(計60分)
16:50 「秋のマラソン」(94分)

■作品解説

田園詩

田園詩
Пастораль
1975年(98分)

監督:オタール・イオセリアーニ
脚本:オタール・イオセリアーニ、レヴァズ・イナニシヴィーリ他
撮影:アベサロム・マイスラッゼ
音楽:エカテリーナ・ポポーヴァ
出演:ナナ・イオセリアーニ、タマーラ・ガバラシヴィーリ、ミハイル・ナネイシヴィーリ、レーリ・ザルディアシヴィーリ

グルジアのとある奥深い農村に学生音楽家たちが休暇を兼ねて楽器練習に訪れ、再び都会に帰るまでの束の間のひと時が描かれる。監督にとってソ連時代最後の長篇作品となった本作にはグルジア映画特有のコミカルなたとえ話の体裁もなければ、主人公もあらかた不在で、筋書きは意識的に排除され、第一作「落葉」の冒頭で描かれていた農村風景の変奏として描かれていくかに見える。しかし、農村の方言はグルジア人にも分からぬ言葉で、都会人と村人たちのそれぞれの世界は互いに閉じたままで、いつまでも出会うことがない。本作はこの出会いの不在をまるで唯一の主人公であるかのように映し出している。(東海晃久)

秋のマラソン

秋のマラソン
Осенний марафон
1979年(94分)

監督:ゲオールギィ・ダネーリヤ
脚本:アレクサンドル・ヴォローヂン
撮影:セルゲイ・ヴロンスキィ
音楽:アンドレイ・ペトローフ
出演:オレーク・バシラシヴィーリ、ナターリヤ・グンダレヴァ、マリーナ・ネヨーロヴァ、エヴゲーニィ・レオーノフ

舞台は70年代末のレニングラード。大学教員で翻訳家でもある主人公ブズィーキンはタイピストのアーラと不倫。子供が欲しいと言われるも、妻ニーナと別れる勇気のない彼はいつもの優柔不断さから二人のあいだで引き裂かれ続ける。ソープオペラ的題材を用いながらも、ダネーリヤは主人公を同僚や隣人たちとのあいだをピンボールのように弾いていっては、自らの得意とするシチュエーションの虜に仕立て上げる。不甲斐ないと罵られるべきブズィーキンは次第に観る者の前に、自らの吐き出した糸に絡みとられていく蜘蛛の悲哀を帯び始める。(東海晃久)

結婚

結婚
Свадьба
1964年(20分)

監督:ミハイル・コバヒーゼ

バスで知り合った女性にプロポーズを決意した若者の運命。セリフや言葉を排し、映像と音楽だけで作られた映画大学の卒業制作。60年代グルジアの映像実験の代表作。

傘


Зонтик
1967年(20分)

監督:ミハイル・コバヒーゼ

自由に跳ね回る傘をつかまえ、軽やかにスキップする男に少女が引き寄せられる。グルジアの監督コバヒーゼは、軽妙な短編で注目されるも、実験性ゆえに不遇をかこった。

ピロスマニのアラベスク

ピロスマニのアラベスク
Арабески на тему Пиросмани
1986年(20分)

監督:セルゲイ・パラジャーノフ

グルジア出身のパラジャーノフが、グルジアの国民的画家の運命と作品に捧げたオマージュ。様々な映像手法を駆使しつつ画家の生涯と作品に迫るドキュメンタリー。



■日本語字幕付き
■各回入れ替え制

■料金
一般=1200円(学生/シニア=1000円
神戸プラネットシネマ倶楽部会員=1000円(学生/シニア=900円
アテネ・フランセ文化センター会員=1000円
※《割引》当日に限り、2プログラム目は200円引き

■会場

神戸映画資料館
兵庫県神戸市長田区腕塚町5丁目5番1
アスタくにづか1番館北棟2階
078-754-8039

■主催

神戸映画資料館
アテネ・フランセ文化センター

■協力

ロシア映画社