たそがれ酒場

1955年(94分)

監督/内田吐夢

出演/津島恵子 小杉勇

巨匠・内田吐夢の戦後第2作。新東宝のスタジオに建てられたワンセットの居酒屋で展開する人間模様を、わずか1日に凝縮された時間の中で描きだす“グランド・ホテル形式”の異色作。多くの登場人物をさばく脚本を執筆したのは、これがデビュー作の灘千造。登場人物の背負う歴史やイデオロギー、時代風俗がさまざまな歌によって表現され、大島渚やテオ・アンゲロプロスの諸作を先取りした政治的歌謡映画として見ることもできる。