どこかで春が

1958年(65分)

監督/柳沢寿男

製作/新映画ぷろだくしょん 合資会社奥商会 製作/米山彊 原作/片岡司郎 脚本/厚木たか 撮影/瀬川浩 照明/堀源吉 音楽/草川啓 効果/大野松雄 解説/宇野重吉

出演/今村正一 市口淑子 真砂純忠

大阪近郊の小都市にある中学校の演劇部は、北海道冷害地救援のための生活劇の練習に励んでいた。演劇部が気にくわないと暴力を振るう小泉君と、演劇部のケイコさんの友情を軸に、貧乏に負けず生き抜く子供たちを描いた児童向き劇映画。

僕がドラマを撮っていると言うとみんなから笑われるんですけれども、東大阪に布施という所がありますね。そこに片岡司郎という先生がいまして、不良少年たちの世話をしていた。布施の中学の先生をされていて、そこで芝居をやりまして、その芝居に不良少年たちを引きずり込んで、彼らをまともにさせていく。それを映画にしようということで、厚木たかさんに脚本を書いてもらった。おそらく、非行少年、不良少年の映画の一番はしりじゃないかと思うんですけどね。これは、「砂の女」を撮った瀬川浩の第一回作品なんです。
ーー映像資料「柳澤壽男監督に聞く」(1991)より