カンヌ映画祭パルムドール受賞作『雪の轍(わだち)』公開記念
「ヌリ・ビルゲ・ジェイラン映画祭」 オープニングイベント
ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督作品の上映/レクチャー/トーク

2015年7月8日(水)
会場:草月ホール(青山)

世界の映画祭を席巻するトルコ映画。その中心的存在であるヌリ・ビルゲ・ジェイラン。 ジェイラン監督のカンヌ映画祭パルムドール受賞作『雪の轍(わだち)』が6月27日(土)から日本で劇場公開されます。この公開に連動し、ジェイラン監督の映画祭を今秋開催。これに伴うオープニングイベントとして、7月8日(水)に草月ホールにて、ジェイラン監督作品の特別上映とレクチャー、トークイベントを行ないます。

■スケジュール
※チケット販売は各プログラム開始の30分前から、入場は先着順です。

7月8日(水)

プログラムA

13:30 上映『繭』『五月の雲』(計150分)
16:10 レクチャー「トルコ文化の中の映画とヌリ・ビルゲ・ジェイラン」
野中恵子
(トルコ評論家/「史跡・都市をめぐるトルコの歴史」著者)

プログラムB

18:00 トーク「国際映画祭とトルコ映画 ヌリ・ビルゲ・ジェイランを中心に」
石坂健治(日本映画大学教授/東京国際映画祭アジア部門プログラミングディレクター)
市山尚三(東京フィルメックスプログラムディレクター)
矢田部吉彦(東京国際映画祭プログラミングディレクター)
19:00 上映『繭』『五月の雲』(計150分)

■上映作品

繭


Koza / Cocoon
1995年(20分)※デジタル上映

脚本・撮影:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
出演:ファトマ・ジェイラン、メフメット・エミン・ジェイラン、トゥルグット・トプラク

1995年カンヌ国際映画祭短編部門出品。幸せを約束したはずの、のどかな自然に包まれた田舎町の二人の愛の巣。だが、時はいつしか和やかさを失い、激しい風のごとく過ぎ去った。老いゆく明日を前にし、ここを再会の空間に選んだのは、かすかな希望の裏返しでもある。心のすれ違いは、埋められない現実を悟りながらも…。無言のモノクロ映像で愛の葛藤を見事に描いたジェイラン36歳のデビュー作。

五月の雲

五月の雲
Mayıs Sıkıntısı / Clouds of May
1999年(130分)※35mm上映

脚本・撮影:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
出演:ファトマ・ジェイラン、メフメット・エミン・ジェイラン、ムザフェル・オズデミル、M.エミン・トプラク

西アナトリアの5月。その瑞々しく穏やかな自然美とは裏腹に、村の家族の心はそれぞれの悩みで晴れない。故郷の木々を断固守る決意の老父、無邪気な夢を諦められない小さな甥、都会に明日を求める失意の従弟。映画の題材を求めて帰省した映画監督は、そんな彼らの姿を故郷の風景とともに記録しようと決め、家族総出の映画制作が始まる。2000年イスタンブール国際映画祭最優秀賞受賞。
フィルム提供:国際交流基金



ヌリ・ビルゲ・ジェイラン

ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
Nuri Bilge Ceylan


1959年イスタンブール生まれ。幼少期を古代都市トロイア近くの内陸部の牧歌的な自然の中で過ごす。イスタンブールのボスポラス大学機械工学科時代に映画制作を考えはじめ、ミマル・シナン大学で映画を学ぶ(中退)傍ら写真家として活動。
処女作である短編映画『繭』は、1995年カンヌ国際映画祭短編部門で上映。トルコ映画として同部門初の出品作となる。『五月の雲』(1999)までの初期作品は、彼に大きな影響を与えた故郷チャナッカレを舞台に、家族や友人を俳優として起用している。
2003年カンヌ国際映画祭で『冬の街』(2002)がグランプリを受賞。故ユルマズ・ギュネイ監督以降、長らく不振にあえいでいたトルコ映画界に期待の救世主として浮上する。同映画祭では『スリー・モンキーズ』(2008)が監督賞を、『昔々、アナトリアで』(2011)がグランプリを獲得。最新作『雪の轍』(2014)で、ついにカンヌの最高賞「パルムドール」に輝いた。トルコ映画が同賞を受賞したのは『路』(1981シェリフ・ギョレン監督。ユルマズ・ギュネイ脚本)以来32年ぶりことである。
国際映画祭を席巻するトルコ映画、その中心的存在であるヌリ・ビルゲ・ジェイラン。世界がグローバル化する中で、トルコ固有の文化や地理・精神風土に徹底的にこだわったその映画づくりに、世界中から熱い視線が注がれている。



■予告

ヌリ・ビルゲ・ジェイラン映画祭2015
日程:9月29日(火)-10月3日(土)
会場:アテネ・フランセ文化センター(御茶ノ水)
上映作品(予定)
『カサバー町』1997
『冬の街』2002
『うつろいの季節(とき)』2006
『スリー・モンキーズ』2008
『昔々、アナトリアで』2011
+シンポジウム
―詳細は7月8日(水)のオープニングイベントで発表します。



■公開情報

雪の轍(わだち)

ジェイラン監督最新作
雪の轍(わだち)

2014年カンヌ国際映画祭パルム・ドール大賞受賞作品

監督:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
出演:ハルク・ビルギネル、メリサ・ソゼン、デメット・アクバァ、ネジャット・イシレル

カッパドキアに佇む洞窟ホテル・オセロ。オーナーとして悠々自適に暮らす元俳優のアイドゥン。しかし、若く美しい妻との関係はうまくいかず、一緒に暮らす出戻りの妹ともぎくしゃくしている。さらに、近隣の一家との思わぬトラブルが彼を悩ませていた。やがて季節は冬になり、降りしきる雪に行き場をなくした彼らは、鬱屈した互いの心の内をさらけ出していく。しかし、会話を重ねても彼らの心はすれ違うばかり。果たして、彼らにとっての雪解けとは…。
チェーホフの著作を元に、シェイクスピア、ドフトエフスキーなど不朽の名作をモチーフに「人間の心の底」を描く。世界が絶賛した極上の映画体験。
6月27日(土)より角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
http://bitters.co.jp/wadachi/


■上映作品は日本語字幕付き
■プログラムごと入替え

■料金
一般=1500円
シニア/学生/アテネ・フランセ文化センター会員=1000円

■会場・お問い合せ

草月ホール(青山)
港区赤坂7-2-21
地下鉄青山一丁目駅4(北)出口より徒歩5分

■主催

アテネ・フランセ文化センター
映画美学校

■提供
ZEYNOFILM

■フィルム・写真提供及び協力
国際交流基金