千葉文夫のシネクラブ時代
L’Age du Ciné-Club de Fumio Chiba
1980年前後パリ/東京の映画と仲間たち

2017年4月22日(土)
会場:アテネ・フランセ文化センター

ヌーヴェル・ヴァーグと渋谷系をシネクラブが繫いだ。
サブカルが教養主義とアングラに取って代わり、「ニューアカ」が流行語となった1980年代は、アート系映画の自主上映がいちばん熱く、映画批評がもっとも輝いた時代でもあった。
1985年の『リュミエール』創刊前後、御茶ノ水・飯田橋・九段下で花開いたシネクラブは、渋谷・表参道・六本木の輸入レコード店とともに、1990年代のフレンチ・アメリカンな「渋谷系」文化の母胎となった。
フランス文学者・千葉文夫の早稲田大学退職を機に、当時のパリ/東京におけるシネフィリーとその可能性について、オルタナ編集者・郡淳一郎が聞く。

 日本の「フランス文学」は、明治薩長政府への反感に起源して、近代を通じて政治・軍事・経済の一元的価値への批判として機能し、戦後はアメリカ帝国主義への抵抗勢力として命脈を繫いできた。
 その現状最後の光耀が1980年代初頭の「ニューアカ」であり、なかでも映画論はポスト構造主義批評の見本帖のごとき知的テンションを極め、文彩の限りを尽くしてリトル・マガジンの黄金時代の掉尾を飾った。
 当時、ゴダール、ヴェンダース、ジャームッシュ等々の最新流行を傍目に、アステア&ロジャース、ルビッチ、オフュルスを精妙典雅に語った千葉文夫の声の肌理を、わたしたちは忘れられない。
 30年が過ぎた。2017年2月、千葉文夫教授は早稲田大学での最終講義「アーティストの/としての肖像 デュシャンからレリスへ、遊戯の名において」を、『踊る大紐育』(MGM 1949)の“I’m so lucky to be me”を口ずさむことで締め括った。
 A面は終わった。B面に耳を傾けよう。

(j. k.)

■上映スケジュール

4月22日(土)

13:00 「1980年前後パリ/東京の映画と仲間たち」
出演:千葉文夫
聞き手:郡淳一郎



■入れ替えなし

■料金

1000円

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千葉文夫のシネクラブ時代
ちらしデザイン・制作:ヒロイヨミ社

■会場&お問い合わせ

アテネ・フランセ文化センター
東京都千代田区神田駿河台2-11
アテネ・フランセ4F
TEL. 03-3291-4339

■主催

アテネ・フランセ文化センター