映画美学校ドキュメンタリー・コース公開講座
「ドキュメンタリー映画史―ドキュメンタリーを読む」
映画作家によるテキストと関連作品の上映による
ドキュメンタリー映画史の読み直し
全12回 前期6回(1945年―1960年)後期6回(1960年-2000年代)

前期2023年5月-2023年9月(6回) 後期2023年10月-2024年3月(6回)
会場:アテネ・フランセ文化センター

映画美学校ドキュメンタリー・コースの公開講座として、2010年より開講してきた筒井武文監督による「ドキュメンタリー映画史」講座。2023年より新たに12のテーマを設定し、「ドキュメンタリー映画史―ドキュメンタリーを読む」と題して再開することとなりました。映画作家によるテキストと関連作品を分析しながら日本ドキュメンタリー映画史の読み直しを行います。

講師:筒井武文(映画作家/東京藝術大学大学院教授・映画美学校講師)

追加プログラム決定のお知らせ

9月30日(土)開催の映画美学校ドキュメンタリー・コース公開講座「ドキュメンタリー映画史―ドキュメンタリーを読む」第6回につきまして、追加プログラムとして講義後に筒井武文監督作品『映像の発見=松本俊夫の時代 第1部・記録映画篇』の上映が急遽決定いたしました。

第6回 2023年9月30日(土)
14:00― 「ブームに隠されたもの—テーゼの衰弱とそのアンチ・テーゼ—」
18:00― 特別上映
『映像の発見=松本俊夫の時代 第1部・記録映画篇』2017 筒井武文監督(137分)
※特別上映のみご参加は入場料1,000円(公開講座「ドキュメンタリー映画史―ドキュメンタリー映画を読む」の受講者は無料)

アテネ・フランセ文化センター

お詫びとお知らせ

7月29日(土)開催の映画美学校ドキュメンタリー・コース公開講座「ドキュメンタリー映画史―ドキュメンタリーを読む」第3回につきまして、諸事情により開始時間を1時間前倒しし、13:00開始とさせていただきます。

第3回 2023年7月29日(土)
「見せる」映像と「見る」映像
13:00開始(15:45終了予定)
※前期全6回受講者の入場受付、1回聴講券の販売は12:30から開始します。


ご迷惑をおかけいたしまして大変申し訳ございません。ご了承のほどよろしくお願いいたします。

アテネ・フランセ文化センター

日本のドキュメンタリー史を、映画作家による映画論と実作の両面から検証し、
ドキュメンタリー映画の現在を考え、今後を展望したい—。

筒井武文

ドキュメンタリー映画の現在を問い直すために、戦後の日本のドキュメンタリーを映画作家によるテキストと関連する作品を見ることから検証したい。
5月から始まる前期6回の講座では、1945年から60年までのドキュメンタリーを考える。その絶好のテキストとなるのが、野田真吉と松本俊夫の対談『戦後ドキュメンタリー変遷史』である。これは1964年に『記録と映像』という「映像芸術の会」の主催による会報に、6回連載されたものである。そこでは1945年から60年までの作品に対して、激しい批判が投げ掛けられる。その背景は、62年に起こった「記録映画作家協会」の分裂であり、啓蒙的な姿勢を保つ主流派に対して映画の革新を目指す少数派は、新たに「映像芸術の会」を結成することになった。そのイデオローグだったのが、松本俊夫であり、彼を支持した野田真吉である。松本俊夫は、その前年に、第一批評論集「映像の発見」を出版して、映画人に大きな影響を与えていた。前期の6回の講座では、『戦後ドキュメンタリー変遷史』を読みながら、そこで言及された作品を見直すこととする。それは、彼らの批評や実作の、時代を超える有効性を問う試みでもある。
10月から始まる後期6回講座では、1960年以降の日本ドキュメンタリーの流れを、やはりテキストと作品の両面から検証する。とりあげる映画作家は小川紳介、土本典昭、大島渚、吉田喜重、青山真治、佐藤真である。彼らも、実作と批評を通して、ドキュメンタリー映画の新しい地平を模索した映画作家たちである。小川、土本、大島、吉田には「1968年」の問題が、青山と佐藤は「21世紀のドキュメンタリー」という重い課題が課せられることとなる。
本講座でとりあげるのは、いずれも優れた映画論の書き手、語り手であり、同時に実作者である。実作者という意味では、田村正毅をはじめとするキャメラマンに言及することにもなるだろう。
日本のドキュメンタリー史を、映画作家による映画論と実作の両面から検証し、ドキュメンタリー映画の現在を考え、今後を展望する。本講座の目的はそこにある。

■前期(1945年―1960年)日程(6回)
テキスト:松本俊夫・野田真吉対談<戦後ドキュメンタリー変遷史>

第1回 2023年5月27日(土)

14:00 敗戦の不在と事実主義
作品分析:
『炭鉱』1947『富士山頂観測所』1948『海に生きる』1949
『いねの一生』1950他

第2回 2023年6月24日(土)

14:00 政治的実効主義批判—記録教育映画製作協議会の作品を中心に—
作品分析:
『五二年メーデー』1952『京浜労働者』1953『米』1953
『月の輪古墳』1953他

第3回 2023年7月29日(土)

14:00
13:00
「見せる」映像と「見る」映像
作品分析:
『ひとりの母の記録』1955『段々畑の人々』1955
『鉄路に生きる』1952『ニホンザルの自然社会』1954他
※諸事情により開始時間が13:00に変更になりました。(15:45終了予定)
※前期全6回受講者の入場受付、1回聴講券の販売は12:30から開始します。

第4回 2023年8月26日(土)

14:00 心情的主観と擬科学的客観—亀井文夫の方法をめぐって—
作品分析:
『流血の記録・砂川』1956『世界は恐怖する』他

第5回 2023年9月16日(土)

14:00 「何を」の映画から「いかに」の映画へ—羽仁進の可能性と限界—
作品分析:
『教室の子供たち』1955『絵を描く子どもたち』1956他

第6回 2023年9月30日(土)※講義後に追加プログラムが急遽決定しました。

14:00 ブームに隠されたもの—テーゼの衰弱とそのアンチ・テーゼ—
作品分析:
『佐久間ダム』総集編1958『ホゼイ・トレス』1960
『忘れられた土地』1958他
18:00 特別上映:
『映像の発見=松本俊夫の時代 第1部・記録映画篇』(137分)
※特別上映のみご参加は入場料1,000円(公開講座「ドキュメンタリー映画史―ドキュメンタリー映画を読む」の受講者は無料)

■受講料

前期全6回:9000円
1回聴講料:2000円

※9月30日(土)第6回の特別上映のみご参加は入場料1,000円(公開講座「ドキュメンタリー映画史―ドキュメンタリー映画を読む」の受講者は無料)

・テキストを配布いたします。
・前期全6回の受講証は第1回5月27日(土)の13:30から発行いたします。
・1回聴講券については、毎回13:30から発券いたします。

■お問い合わせ・会場

アテネ・フランセ文化センター
東京都千代田区神田駿河台2-11
アテネ・フランセ4F
JR 御茶ノ水・水道橋駅より徒歩7分
03-3291-4339(13:00-20:00)

■主催

映画美学校
アテネ・フランセ文化センタ—

■協力

神戸映画資料館