映画一揆外伝 ~破れかぶれの映画史~
岩佐寿弥 幻の『叛軍』シリーズ一挙フィルム上映

2024年2月3日(土)
会場:アテネ・フランセ文化センター

フィクションとドキュメンタリーの領域を果敢に横断し、その軌跡を残した映画監督の岩佐寿弥。
今回の映画一揆外伝では、岩佐監督の代表作『叛軍No.4』に加え、数年前に発見された『叛軍』シリーズの短編3作品を合わせて上映します。

岩佐寿弥は岩波映画入社からキャリアを始め、その後、小川紳介や土本典昭らと共に映画研究会「青の会」を結成した。当時、他のメンバーたちが激動の中心にカメラを向けていくのとは対照的に、岩佐寿弥は現実と虚構の垣根を曖昧にするような挑戦的な映画を志向する。一見、渦中から遠ざかるように見えながら、それらの作品は全く別の角度から、時代の根底にある問題の核心を炙り出していく。
数年前フィルムが発見され、全貌が明らかになった『叛軍』シリーズは、反戦自衛官として知られる小西誠の裁判を追うアジビラ映画として始まり、思いもよらぬ形で様相を変容させ、見るものの認識を大きく揺さぶる。今回、失われていた幻のプリントを含めてフィルムにて一挙上映することで、現在においても重要な示唆を与えるであろう、岩佐寿弥が表した姿勢を改めて検証する。いまこそ、岩佐寿弥を見たい。

映画一揆外伝スタッフ一同

■スケジュール
※チケットは当日15:30から販売します。

2月3日(土)

16:00 『叛軍 No.1』『叛軍 No.2』『叛軍 No.3』(計59分)
17:25 『叛軍 No.4』(96分)
19:00
19:10
トーク:
高橋洋(脚本家・映画監督)、千浦僚(映画文筆)

※トーク開始時間の表記に誤りがございました。正しくは19:10になります。

■上映作品

叛軍

叛軍No.1
1970年/22分/16mm
製作:「叛軍」製作集団
監督:岩佐寿弥 
出演:小西誠

叛軍


叛軍No.2
1970年/28分/16mm
製作:「叛軍」製作集団
監督:岩佐寿弥 
出演:演劇集団「兆」


叛軍


叛軍No.3
1971年/9分/16mm
製作:「叛軍」製作集団
監督:岩佐寿弥 
出演:小西誠


叛軍


叛軍No.4
1972年/96分/16mm
製作:「叛軍」製作集団
監督:岩佐寿彌 
撮影:堀田泰寛
録音:岡本光司
出演:和田周 最首悟

常に事実と虚構のはざまに忍び込み、ドキュメンタリーという制度自体を揺るがした異端の映画作家、岩佐寿弥(1934-2013)。この度、代表作『叛軍No.4』に先立つ3つの短篇が監督の旧宅より発掘された。これらは、反戦自衛官としての活動で起訴された小西誠を支援すべく、その公判を集団製作によって記録した一種のアジビラ映画(シネ・トラクト)として始まった。だがやがて、政治性だけに収まることなく“行為としての映画”を追い求める岩佐の映画思想を反映するようになる。
(国立映画アーカイブ「発掘された映画たち2018」より抜粋)

■監督プロフィール

叛軍

岩佐寿弥
Hisaya Iwasa


1959年、岩波映画に入社。1964年に独立。『ねじ式映画~私は女優?~』(1969年)、『叛軍No.4』(1972年)、『眠れ蜜』(1976年)を製作後、ディレクターとしてTV作品を多数手がける。晩年はチベットを舞台に、『モゥモ チェンガ』(2002年)、『オロ』(2012年)などを監督。

■映画一揆外伝プロフィール

映画一揆外伝とは

脚本家/映画監督・井土紀州が学生時代に仲間と結成し現在に至る映画結社スピリチュアル・ムービーズ。それは“魂にふれる映画”を希求する映画集団である。 スピリチュアル・ムービーズは1998年の「百年の絶唱」公開以降、「レフトアローン」「ラザロ」「行旅死亡人」など、制作と上映の実践を継続していくなか、2010年〜2011年に“怒りと祝祭の上映蜂起”『映画一揆』を各地で展開した。
2014年、『映画一揆』に遅れて参じた若者たちに牽引される形で『映画一揆外伝』が始動。スピリチュアル・ムービーズ関連作品を映画館で上映するというこれまでの枠組みを超え、より柔軟により拘り深く『映画一揆外伝』は破れかぶれに進んでゆく。
>>>映画一揆外伝のウェブページはこちら



■先着順/入替なし
■自由席

■料金
一律1500円(一日通し・当日券のみ)

■お問い合せ

090-4395-4852(担当:高橋)
spiritualmovies@hotmail.co.jp

■会場

アテネ・フランセ文化センター
千代田区神田駿河台2-11
アテネ・フランセ4F
JR 御茶ノ水・水道橋駅より徒歩7分
03-3291-4339

■主催
映画一揆外伝
アテネ・フランセ文化センター

■フィルム・画像提供
国立映画アーカイブ