東京フィルメックス関連企画
ジョアン・セーザル・モンテイロ監督特集
Retrospectiva de João César Monteiro 2023
2023年11月17日（金）、11月18日（土）（2日間）
会場：アテネ・フランセ文化センター
ポルトガル「ノヴォ・シネマ」の代表的な映画作家ジョアン・セーザル・モンテイロ（1939–2003）が世を去って20年。俳優として自作にも出演しつつ、聖性と俗性が混在する作風で「現代映画」の探求を続けた異色の映画作家の足跡を辿ります。
トークゲスト追加決定のお知らせ
11月18日（土）のトークにつきまして、ゲストに映画批評家のクリス・フジワラさんに加えて映画監督の塩田明彦さん、司会に映画研究者の土田環さんが決定しました。
11月18日（土）
19:10 トーク「ジョアン・セーザル・モンテイロを語る」
登壇：塩田明彦（映画監督）、クリス・フジワラ（映画批評家）
司会：土田環（映画研究者）
■上映スケジュール
※チケットは1回目上映開始の30分前から、当日上映分を販売します。
11月17日（金）
| 18:30 | 『ラスト・ダイビング』（91分） |
| 20:10 | トーク「ジョアン・セーザル・モンテイロの足跡」 登壇：葛生賢（映画批評家） |
11月18日（土）
| 14:00 | 『黄色い家の記憶』（122分） |
| 16:30 | 『神の結婚』（154分） |
| 19:10 | トーク「ジョアン・セーザル・モンテイロを語る」 |
■上映作品 ＊フィルム提供：コミュニティシネマセンター
黄色い家の記憶
Recordações da Casa Amarela
1989年／ポルトガル／122分／35mm
監督・脚本：ジョアン・セーザル・モンテイロ
撮影：ジョゼ・アントニオ・ルレイロ
出演：ジョアン・セーザル・モンテイロ（ジョアン・デ・デウス） マヌエラ・ド・フレイタス（ドナ・ヴィオレッタ） ルイ・フルタード（アルマンド） ルイス・ミゲル・シントラ（リヴィオ）
中年男ジョアン・デ・デウスは、大家の愛娘に交際を断られると、強姦未遂を起こし遁走する。やがて軍服姿で街中を闊歩していた彼は精神病院に入れられる。ダンディな怪人デウスをモンテイロ自ら演じた「ジョアン・デ・デウス」三部作の第一作。キートンやギトリに比肩する個性を示した傑作。ヴェネツィア映画祭銀獅子賞受賞。
ラスト・ダイビング
O Último Mergulho
1992年／ポルトガル・フランス／92分／35mm
監督・脚本：ジョアン・セーザル・モンテイロ
撮影：ドミニク・シャピュイ
出演：ファビアンヌ・バーブ（エスペランサ） ディニス・ネト・ジョルジ（サムエル） エンリケ・カント・イ・カストロ（エロイ）
波止場に佇む青年に、老水夫が声をかける。どうせ死ぬなら、思う存分遊んでからにしよう…。彼らは夜の街に繰り出し、娼婦たちと飲み明かす。TVオムニバス「四元素」の「水」篇。撮影は8日間で、モンテイロは全ての場面を俳優たちと即興で作り上げた。撮影はゴダールやランズマンの作品を手がけたドミニク・シャピュイ。
神の結婚
As Bodas de Deus
1999年／フランス・ポルトガル／154分／35mm
監督・脚本：ジョアン・セーザル・モンテイロ
撮影：マリオ・バローゾ
出演：ジョアン・セーザル・モンテイロ（ジョアン・デ・デウス） リタ・ドゥラン（ジョアナ） ジョアナ・アゼヴェド（エレナ・ゴンブロヴィッチ王女） ジョゼ・アイローザ（オマー・ラシッド王子） マヌエラ・ド・フレイタス（ベルナルダ修道院長） ルイス・ミゲル・シントラ（リヴィオ）
浮浪者デウスに「神の使者」が札束の詰まった鞄を手渡す。突如、大富豪になった彼は男爵を名乗り、放蕩の限りを尽くすが…。「ジョアン・デ・デウス」三部作の最終作。やりたい放題に見えつつも保たれる映画史的記憶と形式的厳格さとの間の精妙な均衡。繊細な光によって彫刻された長回しは、マリオ・バローゾの撮影による。
■監督情報
ジョアン・セーザル・モンテイロ
João César Monteiro
1939年2月2日、フィゲイラ・ダ・フォス生まれ。反体制的かつ無信仰的に育つ。63年に奨学金を得て渡英。ロンドン・フィルム・スクールで映画制作を学ぶ。60年代には映画批評誌で健筆を振るう。ラウラ・モランテ主演の『海の花』（1986）がサルソマッジョーレ映画祭で上映され、審査員特別賞を受賞。1989年に漁色と放縦に走る反‐聖人デウスを自ら演じ、映画史上に屹立する傑作『黄色い家の記憶』を完成させる。同作はヴェネツィア国際映画祭の銀獅子賞を獲得し、オリヴェイラに続くポルトガル映画の巨匠として認知される。『ラスト・ダイビング』（1992）、『J.W.の腰つき』（1997）などの意欲作を次々と発表するも、2003年2月3日リスボンで惜しまれつつ癌により死去。同年の『行ったり来たり』が遺作となる。自作以外の出演作に『破滅の愛』（マノエル・ド・オリヴェイラ、1978）、『ドクス・キングダム』（ロバート・クレイマー、1987）など。
監督作（長篇劇映画のみ）
『細道』Veredas（1977）
『シルヴェストレ』Silvestre（1981）
『海の花』À Flor do Mar（1986）
『黄色い家の記憶』Recordações da Casa Amarela（1989）
『ラスト・ダイビング』O Último Mergulho（1992）
『神の喜劇』A Comédia de Deus（1995）
『J.W.の腰つき』Le Bassin de J. W.（1997）
『神の結婚』As Bodas de Deus（1999）
『白雪姫』Branca de Neve（2000）
『行ったり来たり』Vai e Vem（2003）
