ドキュメンタリードリームショー 山形 in 東京 関連企画
ジョスリーン・サアブ『ドゥニヤ』上映+トーク

2018年10月20日(土)
会場:アテネ・フランセ文化センター

レバノンを代表する女性作家、ジョスリーン・サアブ。2017年には山形国際ドキュメンタリー映画祭で特集が組まれるなど、日本での注目も高まっている。 今回は、エジプトを舞台にした『ドゥニヤ』(2005年)を35mm版で初上映し、トークを行います。

レバノンの女性映画監督:ジョスリーン・サアブ
ジョスリーン・サアブは単にベイルートの厄難の定点観測ドキュメンタリー作家として重要であるばかりではない。彼女はアラブ地中海圏の伝統文化が西洋の高度消費社会によっていかに変容していくかを見つめる証人であり、イスラム圏での女性のジェンダー的困難に敏感に反応し、それをラディカルに問いかける映像作家でもある。また魔術と幻想、イスラム神秘主義に対しても深い共感を抱き、幻想的な物語世界を映画化している。シネフィルとして、レバノン映画史そのものを愉しいミュージカル映画に仕立て上げる才能も忘れてはならない。サアブは近年にいたり映画の枠組みを越え、写真展とインスタレーション、映画学校での教育活動、さらに自伝の執筆に及ぶなど、幅広く活動している。

四方田犬彦(映画研究者)

■上映スケジュール

10月20日(土)

15:00 上映『ドゥニヤ』(110分)
17:00 トーク:四方田犬彦佐野光子(アラブ映画研究者)

■上映作品

デュニア

ドゥニヤ
Dunia (Kiss Me Not On The Eyes)
2005年/110分/35mm(日本語字幕付き)
監督・脚本・原案:ジョスリーン・サアブ
撮影:ジャック・ブキャン
出演:ハナーン・トルク ムハンマド・ムニール ファトヒー・アブドゥルワッハーブ

カイロで詩を学ぶドゥニヤは、プロのダンサーを夢見ていた。ダンスの選考会で博識のバシール博士と出会ったことから、詩・ダンス・音楽における快楽の探求が始まるが、やがて彼女は、セクシュアリティが抑圧された封建的な社会と対峙することとなる。エジプトにおいて絶大な人気を誇る美人女優ハナーン・トルクと、著名な歌手でもあるムハンマド・ムニールが主演。エジプトにおける女子割礼を描いたことで、公開されるやいなや国内で大きな議論を巻き起こした。

■監督情報

ジョスリーン・サアーブ

ジョスリーン・サアブ
Jocelyne Saab


1948年レバノン生まれ。レバノンでの戦地レポーターを経て、1975年にTVドキュメンタリーを制作し、注目を集める。1981年、フォルカー・シュレンドルフがレバノンの戦地を舞台にした『偽造者』のセカンド・ユニットの監督を務める。翌年、イスラエル軍のレバノンへの侵攻を描いた『私の街、ベイルート』や、ベトナムのドキュメンタリー『サイゴンの淑女 ホア医師』を作るなど精力的に活動。1985年には、ベイルート中心部で撮影した初の劇映画『SUSPENDED LIFE』がカンヌ国際映画祭で上映された。1991年には映画誕生100年を記念し、レバノンのシネマテークから援助を受け、レバノンの映画史をたどる『昔々、ベイルートで』を監督する。2007年にはカメラマンとして活動を開始。世界中で展覧会を開催した。その後も、インスタレーションの展示や、学生への指導など活動は多岐にわたる。

■告知

ドキュメンタリー・ドリームショー 山形 in 東京
新宿K’s cinema にて2018年10月6日(土)〜10月26日(金)開催

隔年に開催されるドキュメンタリー映画の祭典、山形国際ドキュメンタリー映画祭。その翌年に東京で行う恒例のイベント、ドキュメンタリー・ドリーム・ショーが今年も開催されます。山形で上映した作品に独自のプログラムを加え、約70本を上映します。

詳細は公式ウェブサイトをご覧ください。
http://www.cinematrix.jp/dds2018/


■入れ替えなし
■上映作品は日本語字幕付き

■料金

一般=1500円
学生/シニア=1300円
アテネ・フランセ文化センター会員=
1000円

※「ドキュメンタリー・ドリームショー 山形 in 東京」のチケットはご利用いただけません。ご注意ください。

■会場&お問い合わせ

アテネ・フランセ文化センター
東京都千代田区神田駿河台2-11
アテネ・フランセ4F
TEL. 03-3291-4339

■主催

アテネ・フランセ文化センター

■共催

シネマトリックス
山形国際ドキュメンタリー映画祭

■特別協力

Jocelyne Saab