土本典昭


1928年生まれ。56年岩波映画製作所に臨時雇員として入社。翌年、岩波映画製作所を退社。以後フリーとして同社の映画制作に携わる。59年から翌年にかけて、TVシリーズ「年輪の秘密」の七編を演出。その後もテレビ、コマーシャル、PR映画など多様なジャンルで演出を担当。63年国鉄PR映画として制作された「ある機関助士」で、芸術祭文部大臣賞やベルリン映画祭青年文化賞など国内外の映画賞を受賞。翌年に発表した「ドキュメント路上」は、ヴェネツィア映画祭特別審査員賞を受賞する。65年のテレビ作品「水俣の子は生きている」を経て、70年代より水俣病問題を取材した自主製作映画の連作を開始。同シリーズは今日まで継続され、2004年には最新作「みなまた日記ー甦る魂を訪ねて」を発表。原発問題をテーマとした「原発切抜帖」(82)「海盗りー下北半島・浜関根ー」(84)、内戦下のアフガニスタンを取材した「よみがえれカレーズ」(89)など、常に同時代の社会的問題に対峙した映画制作を貫き、ドキュメンタリーの今日的意義を提起する創作活動を展開した。2008年6月24日没。


過去の上映作品

佐賀県 1961
ある機関助士 1963
ドキュメント路上 1964
留学生チュア スイ リン 1965
パルチザン前史 Pre-Partizan 1969
水俣ー患者さんとその世界ー 1971
水俣一揆ー一生を問う人びとー 1973
医学としての水俣病—三部作— 1974-1975
不知火海 1975
わが街わが青春―石川さゆり水俣熱唱― 1978
偲ぶ・中野重治―葬儀・告別式の記録―1979年9月8日 1979
海とお月さまたち 1980
原発切抜帳 1982
海盗りー下北半島・浜関根ー 1984
水俣病―その30年― 1987
ビデオ絵本・ひろしまのピカ 1987
よみがえれカレーズ 1989
回想 川本輝夫 ミナマタ—井戸を掘ったひと 1999
みなまた日記 甦える魂を訪ねて 2004