ダニエル・ユイレ Danièle Huillet


ジャン=マリー・ストローブ(1933- )とダニエル・ユイレ(1936‐2006)は40年以上にわたって共同で挑発的な映画を作ってきた。ロレーヌ地方メス出身のストローブは、徴兵忌避のため58年に西ドイツに亡命、さらに69年にローマに生活・活動拠点を移した。彼らの作品の大半は先行する文芸作品に基づくが、その原典の本文の扱いは厳密で、叙述内容の伝達を効率化する改変は避けられる傾向にある。高度に文学的なドイツ語、フランス語、イタリア語の3か国語を用いて作られる彼らの映画は、その音声言語の含蓄、音楽的抑揚に重きをおいており、その厳密な画面構図と時間構成、計算された身ぶりと廃棄しえない偶発性の弁証法は、映画表現の革命的な潜勢力を示唆している。


過去の上映作品

マホルカ=ムフ Machorka-Muff 1962
妥協せざる人々 Nicht versöhnt oder Es hilft nur Gewalt, wo Gewalt herrschtt 1964-1965
アンナ・マグダレーナ・バッハの日記 Chronik der Anna Magdalena Bach 1967-1968
花婿、女優、そしてヒモ Der Bräutigam, die Komödiantin und der Zuhälter 1968
オトン Les yeux ne veulent pas en tout temps se fermer, ou Peut-être qu'un jour Rome se permettra de choisir à son tour(Othon) 1969
歴史の授業 Geschichtsunterricht 1972
アーノルト・シェーンベルクの《映画の一場面のための伴奏音楽》入門 Einleitung zu Arnold Schoenbergs "Begleitmusik zu einer Lichtspielscene" 1972
モーゼとアロン Moses und Aron 1974-1975
フォルティーニ/シナイの犬たち Franco Fortini/I Cani del Sinai 1976
すべての革命はのるかそるかである Toute révolution est un coup de dés 1977
雲から抵抗へ Dalla nube alla resistenza 1978
早すぎる、遅すぎる Trop tôt, Trop tard 1980-1981
アン・ ラシャシャン En Rachâchant 1982
アメリカ(階級関係) Klassenverhältnisse 1983-1984
エンペドクレスの死 Der Tod des Empedokles oder: wenn dann der Erde Grün von neuem euch erglänzt 1986
黒い罪 Schwarze Sünde 1988
セザンヌ Cézanne 1989
アンティゴネー Die Antigone des Sophokles nach der Hölderlinschen Übertragung für die Bühne bearbeitet von Brecht 1948 1991-1992
ロートリンゲン! Lothringen!  1994
今日から明日へ Von heute auf morgen 1996
シチリア! Sicilia! 1998
労働者たち、農民たち Ouvriers, paysans(Operai, contadini) 2000
研ぎ師 L’Arrotino 2001
浮浪者 Il Viandante 2001
放蕩息子の帰還/辱められた人々 Il ritorno del figlio prodigo/Umiliati 2003
ルーブル美術館訪問 Une visite au Louvre 2004
あの彼らの出会い Quei loro incontri 2006
ヨーロッパ2005年、10月27日 Europa 2005 27 octobre 2006
ジャン・ブリカールの道程 Itineraire de Jean Bricard 2008