兄とその妹

1939年(102分)

監督・原案・脚色/島津保次郎

撮影/生方敏夫 音楽/早乙女武

出演/佐分利信(間宮敬介) 桑野通子(間宮文子) 三宅邦子(間宮あき子) 水島亮太郎(志村荘六) 河村黎吉(行田富士夫) 上原謙(有田道夫) 笠智衆(内海清三郎) 菅井一郎(荒川清) 奈良真養(林要吉)

日本映画の一つの流れとも言うべき「小市民映画」の代表作。主人公間宮敬介は会社員で妻あき子と妹文子の三人暮らしである。兄敬介は碁が趣味でそのため碁好きの専務によばれて碁の相手をする。真面目な男で昇進も早かったが、一部の同僚たちからは重役にへつらう奴だと悪口を言われる。ある会社の英文タイピストの妹文子は、青年実業家に結婚を申し込まれる。その青年は敬介の会社の専務の甥であったため、折からの人事異動で左遷された同僚が左遷を敬介の工作だと誤解する。妹の文子は縁談を断ってくれといい、敬介は身の潔白を証明するためにも辞表を提出し、会社を辞めてしまう。心配した友人が紹介してくれた仕事のため、中国へと渡ることになった三人は新たな決意を語り合う。何気ない会話やちょっとした仕草にこだわりを見せる島津保次郎のきめ細かい演出が、日本映画を観る悦びを沸き立たせてくれる。