歌うつぐみがおりました

იყო შაშვი მგალობელი 1970年(82分)

監督・脚本/オタール・イオセリアーニ

脚本/ディミトリ・エリスターヴィ オタール・メフリシヴィリ イリア・ヌシノフ シェルマザン・カチャシヴィリ シモン・ルンギン 撮影/アベサロム・マイスラーゼ

出演/ゲラ・カンデラキ(ギヤ・アグラーゼ) ジャンスグ・カヒーゼ(指揮者) 

オペラ劇場のオーケストラで打楽器を担当するギヤ・アグラーゼ。彼は時間に追われながら、目の前にある案件から片付けようとし、約束したことを片端から忘れてしまうので、仕事も女性関係も全てが中途半端になっている。オーケストラの演奏の最中すら、用事のために抜け出して、やっとのことでクライマックスの最後の一打に間に合う始末。そんな忙しい一日が明けた次の日の朝、街角で知り合いの女性を見かけたギヤは、車が行き交う路上に飛び出す……。「落葉」に続くイオセリアーニの長編第二作。時間が足りずいつもあくせく何事かやらずにはおれない現代人の姿を、それを極端に戯画化した主人公を通じて諷刺している。呑気にいろいろなことに首をつっこみ、その結果さまざまな用事を急いで片付けざるを得なくなる主人公の姿描いていくテンポが心地好い。とくにオーケストラの演奏をめぐるサスペンスの作り方が、うまくはまっている。