バロン

O Barão 2011年(90分)

監督/エドガル・ペラ

エドガル・ペラによる「架空の設定」は次の通りである。ポルトガルの実在の作家ブランキーニョ・ダ・フォンセカの恐怖小説が、1943年に製作者ヴァレリー・リュートン率いるアメリカのB級映画のスタッフにより映画化されるも、完成した作品は当時の独裁者の逆鱗に触れ破棄された。ところが、2005年になってその一部が発見され、それをもとに修復、再撮影されたのが本作「バロン」である……。 数奇な運命をたどる40年代のアメリカ映画として2011年に制作されたポルトガル映画「バロン」。「その当時の映画監督と競合するつもりで、映画制作におけるオルタナティブを摸索しつつも、同時に吸血鬼映画のカノンにのっとり、恐怖映画というジャンルの表現を再発明することを試みた」とペラ監督は語っている。