クリス・フジワラの「映画表現論」 現代映画とはなにか?
韓国からの三本のインディペンデント映画

2016年10月22日(土)、11月4日(金)、12月17日(土)
会場:アテネ・フランセ文化センター

「現代映画とは何か」―この大きな問題を、国際映画批評家連盟Webマガジン編集長で、前エジンバラ映画祭アーティスティック・ディレクターのクリス・フジワラ氏が選定した映画の上映と講義を通して考える。

【お知らせ】 12月17日(土)の上映作品が決定!
12月17日(土)の上映作品が『チスル』(2013年、108分、オ・ミヨル)に決定しました。
12月17日(土)
17:00-『チスル』+講義(講師:クリス・フジワラ)

現代映画の戦略とテーマを探求し続けるこの連続講座では、今回は最新の韓国インディペンデント映画から、なかでも最良と言える三本の作品を紹介する。
クリス・フジワラ(前エジンバラ映画祭アーティスティック・ディレクター/映画批評家)

■スケジュール

10月22日(土)

17:00 『ムサン日記~白い犬』(127分)+講義

11月4日(金)

18:30 『眠れぬ夜』(65分)+講義
ゲスト:チャン・ゴンジェ (映画監督)

12月17日(土)

17:00 『チスル』(108分)+講義

※いずれも講義はクリス・フジワラ氏、通訳は藤原敏史氏(映画監督)。

■上映作品

ムサン日記〜白い犬

ムサン日記〜白い犬
무산일기/The Journals Of Musan
2010年 127分 韓国

監督・脚本:パク・ジョンボム
撮影:キム・ジョンソム
出演:パク・ジョンボム、ジン・ヨングク、カン・ユンジン

北朝鮮から幸せを求めて韓国にやってきた青年スンチョル。しかし、大都会ソウルの現実は脱北者には冷たく、定職に就くのも難しい。日々の孤独を癒してくれるのは、拾った白い犬だけだ。スンチョルは教会の聖歌隊で白い制服を着て歌う女性スギョンに憧れるが……。名匠イ・チャンドンの助監督も経験した、パク・ジョンボムの力強いデビュー作。プサン国際映画祭グランプリと国際映画 批評家連盟賞の2冠を獲得。

パク・ジョンボム監督はこのデビュー作で自らが、ソウルで生き延びようとする脱北者の主人公も演じている。文化の衝突と都会の殺風景さのなかでの無理解のあり方を、繊細に、かつ力強い感動で描き出す映画だ。(クリス・フジワラ)
(c)2010 SECONDWIND FILM. All rights reserved.

眠れぬ夜

眠れぬ夜
잠못드는밤/Sleepless Night
2011年 65分 韓国

監督/脚本/編集:チャン・ゴンジェ
撮影監督:キム・ビョンス
出演:キム・スヒョン キム・ジュリョン

ヒョンスとジュヒは結婚2年目。共働きでそれほど裕福でもないが、仲睦まじく暮らしていた。ある日、ふとしたことで諍いを始めてしまう…。監督のチャン・ゴンジェは韓国映画アカデミーで撮影を学んだ若手。全州国際映画祭の韓国長編映画部門でグランプリと観客賞を受賞した。日本では、なら国際映画祭2012と第25回東京国際映画祭「アジアの風」部門で上映され、好評を博した。

若い夫婦が経済的な困難に直面しながらもお互いの愛情とやさしさで切り抜ける姿を暖かく、そして鋭く見せる作品。監督のチャン・ゴンジェの最新作は『ひと夏のファンタジア』。(クリス・フジワラ)

チスル
配給:レスぺ ©2012 Japari Film

チスル
지슬: 끝나지 않은 세월 2/JISEUL
2013年 108分 韓国

監督/脚本:オ・ミヨル
撮影:ヤン・ジョンフン
出演:ヤン・ジョンウォン イ・ギョンジュン ソン・ミンチョル

第二次世界大戦後、南北に分かれた朝鮮半島。アメリカ主導で進められた南だけの単独選挙が国の分断を決定的にするとして、1948年4月3日、選挙に反対する済州島民が武装蜂起。それが発端となり、韓国軍や警察が、鎮圧の名の下に無差別虐殺を開始。7年もの間に約3万人が犠牲となる。近年までタブーだった「済州島4・3事件」を描いた野心作。世界中の映画祭で上映され、サンダンス映画祭では韓国映画初のワールドシネマ・グランプリを受賞した。

1948年に済州島の住民が米軍政の指示により韓国軍に虐殺された事件を、妥協を許さず再現した劇映画。オ・ミヨル監督はモノクロ、シネマスコープ画面を用い、鮮烈で気品のある作品を創造した。(クリス・フジワラ)


■全作品日本語字幕付
■全作品デジタル上映

■料金
一般=1800円(3回券=5000円
アテネ・フランセ文化センター会員=1500円

■会場・お問い合せ

アテネ・フランセ文化センター
千代田区神田駿河台2-11
アテネ・フランセ4F
JR 御茶ノ水・水道橋駅より徒歩7分
03-3291-4339

■主催
アテネ・フランセ文化センター

■共催
映画美学校

■協力
Chris FUJIWARA+Toshi FUJIWARA
株式会社スターサンズ