映画一揆外伝 〜破れかぶれの映画史〜
夏のニュー・ジャーマンまつり
『過激なフェルディナント』×『ビール戦争』

2020年8月8日(土)
会場:アテネ・フランセ文化センター

70年代ドイツを劇画的に描く風刺喜劇×暴走を活写した豪華二本立て上映!!

〝ニュー・ジャーマン・シネマ〟という言葉を聞いて、我々はどんな映画を思い浮かべるだろうか?
ヴェンダースのロード・ムービーか? ファスビンダーの逆説的な愛か? それともヘルツォークの力技か?
もちろん彼らの撮った映画は充分に刺激的だった。
しかし、我々にとって、真に衝撃的だったのは『ビール戦争』だ。
ヘルベルト・アハテルンブッシュという監督の名前さえすぐには思い出せない映画だが、そのザラついて貧しい画面は特異な緊張感を生みだし、やがて黒い笑いを巻き起こす。
作り手の徹底して破壊的でアナーキーな姿勢は、観る者を挑発し同時に解放するのだ。
今回は、これまた破壊的な主人公を描いたアレクサンダー・クルーゲの『過激なフェルディナント』を同時に上映する。
映画一揆外伝スタッフ一同

■スケジュール
※チケットは16:00から販売します。

8月8日(土)

17:00 『過激なフェルディナント』(98分)
19:00 『ビール戦争』(85分)

■上映作品

過激なフェルディナント

過激なフェルディナント
1976年/98分/カラー
監督:アレクサンダー・クルーゲ
撮影:トーマス・マウフ

戦後西ドイツに新しい映画文化の礎石を築いた中心人物のひとり、アレクサンダー・クルーゲによる風刺喜劇。秩序の維持に並々ならぬ意欲を持つ刑事のフェルディナントは、理想の組織を実現するために警察から企業の警備主任へと活動の場を移し、やがて自らが秩序を危険にさらす存在へとなって行く。警備の必要性を世に発信するためにフェルディナントが辿り着いた衝撃の結末は観客を底冷えするような笑いへと突き落とす。この作品で76年のカンヌ国際映画祭国際映画では批評家連盟賞をヴェンダースの『さすらい』と共に受賞している。

ビール戦争

ビール戦争
1977年/85分/カラー
監督:ヘルベルト・アハテルンブッシュ
撮影:ヨルク・シュミット・ライトヴァイン
出演:ヘルベルト・アハテルンブッシュ ハインツ・ブラウン

ドイツ十月祭の会場を警護する職務熱心な警察官ヘルベルト。だが彼の正体は盗んだ制服で警官になりすましただけの平凡な男だった。全編を貫く奇っ怪なユーモア、変人だらけの登場人物にも驚嘆するが、主人公が(恐らくは何も知らない)泥酔した一般人たちを茶化しおちょくりながら客席を突き進む、映画そのものがアナーキーに正気を失ってゆくようなクライマックスの長回し撮影が圧巻。監督主演H・アハテルンブッシュの暴走する才気と身体能力。「ビール映画の巨匠」「バイエルン映画界の鬼才」の知られざる世界を体験していただきたい。

映画一揆外伝とは

脚本家/映画監督・井土紀州が学生時代に仲間と結成し現在に至る映画結社スピリチュアル・ムービーズ。それは“魂にふれる映画”を希求する映画集団である。 スピリチュアル・ムービーズは1998年の「百年の絶唱」公開以降、「レフトアローン」「ラザロ」「行旅死亡人」など、制作と上映の実践を継続していくなか、2010年〜2011年に“怒りと祝祭の上映蜂起”『映画一揆』を各地で展開した。
2014年、『映画一揆』に遅れて参じた若者たちに牽引される形で『映画一揆外伝』が始動。スピリチュアル・ムービーズ関連作品を映画館で上映するというこれまでの枠組みを超え、より柔軟により拘り深く『映画一揆外伝』は破れかぶれに進んでゆく。
>>>映画一揆外伝のウェブページはこちら


【お知らせ】
開催日程は新型コロナウイルス感染拡大の影響により延期になる可能性がございます。 その際にはアテネ・フランセ文化センターのウェブページ等で発表いたします。
何卒ご理解いただけますと幸いです。

■料金
一律1000円(当日券のみ)

■お問い合せ

090-4395-4852(担当:高橋)
spiritualmovies@hotmail.co.jp

■会場

アテネ・フランセ文化センター
千代田区神田駿河台2-11
アテネ・フランセ4F
JR 御茶ノ水・水道橋駅より徒歩7分
03-3291-4339

■主催
映画一揆外伝
アテネ・フランセ文化センター