広島国際映画祭関連企画
ペーター・ネストラー監督特集
Special Feature on Film Director Peter Nestler

2018年11月29日(木)ー12月1日(土)(3日間)
会場:アテネ・フランセ文化センター

ミュールハイム(ルール)

外国人1 船と大砲

時の擁護(ストローブ=ユイレの記録)

ジャン=マリー・ストローブが「戦後のドイツ映画で最も重要な映画作家」と語ったペーター・ネストラー監督作品10本を広島国際映画祭のために来日する同監督を招聘して特集上映。

(ネストラーの映画)にはブレヒトの言葉が当てはまるだろう、「自明性の塵芥の中から真実を掘り起こすこと、個別なものを目立つ形で普遍性へと結びつけること、大きなプロセスの中で特殊性を保持すること、これこそがリアリストの芸術だ。
(ジャン=マリー・ストローブ)

「ネストラーの映画は、私たちの目と耳を知性と感性を刺激してやまない」
ストローブ=ユイレが時代の狭い枠に収められない強靭な普遍性によって60年代以降の「若いドイツ映画」に大きな足跡を残したことと対照的に、彼らの盟友ペーター・ネストラーは戦後ドイツにおいて黙殺と追放の歴史に属する呪われた作家となった。だが現在ネストラーの映画を見る時、そのまなざしの真摯さ、社会観察の多重性、詩的テクストの大胆な使用において孤高の様式性を持ったドキュメンタリストを目の当たりにする。ネストラーは声高に社会の不正を告発することはない。だがその怒りの声は深く静かに秘められているからこそ、私たちの目と耳を知性と感性を刺激してやまない。

(渋谷哲也 Tetsuya Shibutani /ドイツ映画研究者)

上映作品の解説はこちら

■上映スケジュール
※チケットは1回目上映開始の20分前から、当日上映分を販売します。

11月29日(木)

18:10 『ミュールハイム(ルール)』『時の擁護(ストローブ=ユイレの記録)』『アーノルト・シェーンベルクの《映画の一場面のための伴奏音楽》入門』(計56分)
19:40 舞台挨拶:ペーター・ネストラー(映画監督)
19:50 『北の冠』(90分)

11月30日(金)

15:40 『外国人1 船と大砲』『空洞人』(計49分)
17:00 『北の冠』(90分)
19:00 『ミュールハイム(ルール)』『時の擁護(ストローブ=ユイレの記録)』『アーノルト・シェーンベルクの《映画の一場面のための伴奏音楽》入門』(計56分)
20:00 トーク:「ペーター・ネストラー、ストローブ=ユイレを語る」
ペーター・ネストラー(映画監督)
司会:渋谷哲也(ドイツ映画研究者) 

12月1日(土)

14:00 『水門にて』『ラインの流れ』『ギリシャについて』『ルール地方にて』(計87分)
16:00 『良き隣人の変節』(84分)
18:00 『外国人1 船と大砲』『空洞人』(計49分)
19:00 シンポジウム:「ペーター・ネストラーの映画をめぐって」
ペーター・ネストラー(映画監督)、渋谷哲也(ドイツ映画研究者)
赤坂太輔(映画批評家)


■監督紹介

ペーター・ネストラー

ペーター・ネストラー
Peter Nestler


1937年6月1日、ドイツのフライブルクに生まれる。若くして様々な職業を経た後ミュンヘン芸術アカデミーで絵画を学ぶ。その傍ら映画やテレビ作品に俳優として出演する。
初監督作品は1961-2年の短編ドキュメンタリー『水門にて』。その後もテレビの俳優業で資金を稼ぎながらドキュメンタリーを撮り続ける。彼のスタイルは距離化された撮影映像に歴史的写真やイラストを交える詩的な手法が特徴的で、同時代の批評では理解されなかった。やがてドイツで委嘱を受ける道が閉ざされ、1966年末より母親の故国であるスウェーデンに移住した。スウェーデンの放送局で職を得て子供番組を担当するようになった。その間に歴史や社会に関わる批判的なドキュメンタリー作品を製作した。80年代後半より、再びドイツのテレビ局より依頼を受け、ナチ時代のユダヤ人の生きざま、南米のインディオを習俗や歴史、ハンガリーの芸術家など様々なテーマの作品を生み出している。
現在ネストラーはヨーロッパでもっとも重要なドキュメンタリー監督としてストックホルムに在住している。


■告知

「上映とトーク ペーター・ネストラー特集」
日程:2018年11月28日(水)
会場:ゲーテ・インスティトゥート東京
〒107-0052
東京都港区赤坂7-5-56 ドイツ文化会館内
>>>詳細はこちら

「ペーター・ネストラー監督特集 in 京都」
日程:2018年12月1日(土)〜12月7日(金)
会場:
出町座
〒602-0823
京都市上京区今出川通出町西入上ル三芳町133
(出町桝形商店街内)
>>>詳細はこちら
同志社大学寒梅館クローバーホール
〒602-0823
京都市上京区烏丸通上立売下ル御所八幡町103
>>>詳細はこちら


■各回入れ替え制

■本特集の半券をお持ちの方ならトーク、シンポジウムにご参加いただけます。

■料金

一般=1回券1300円(3回券=3000円)
学生/シニア=1回券1000円

アテネ・フランセ文化センター会員=
1回券800円

■お問い合わせ・会場

アテネ・フランセ文化センター
東京都千代田区神田駿河台2-11
アテネ・フランセ4F
JR 御茶ノ水・水道橋駅より徒歩7分
03-3291-4339(13:00-20:00)

■主催

アテネ・フランセ文化センタ—