ニュー・ジャーマン・シネマ回顧
ジーバーベルク ファスビンダー クルーゲ
2017年9月12日(火)〜9月30日(土)(14日間)
会場:アテネ・フランセ文化センター
過去の映画と決別し新しい映画を作るため、若手作家たちは1962年に「オーバーハウゼン宣言」を行った。それから55年の節目を迎える今年は、毎年上映しているライナー・ヴェルナー・ファスビンダー作品に加え、ハンス・ユルゲン・ジーバーベルク、アレクサンダー・クルーゲなど、ニュー・ジャーマン・シネマを牽引した巨匠たちの作品を一挙上映します。
お詫びと訂正
9月26日(火)のチラシ記載の時間について、開始時間に誤りがございました。正しくは以下のとおりです。ご迷惑をおかけして恐縮ですが、何卒ご注意くださいますよう、お願い申し上げます。
9月26日(火)
17:00『秋のドイツ』(119分)
19:30『昨日からの別れ』(87分)
ニュー・ジャーマン・シネマの〈新しさ〉はいまだ汲みつくされていない。ファスビンダーをヴェンダースやヘルツォークのような異郷の探訪者でなくドイツに直接対峙した映画作家たちと並べて見た時に、ローカルなものを標的とした彼の映画の意味が理解されるだろう。戦後ドイツの〈新しい〉映画はドイツの歴史社会のコンテクストをその先鋭的な映画美学に絡ませている。クルーゲとジーバーベルクは同時代人として同じモンタージュ技法を駆使しつつ、まったく対照的なドイツ史の脱構築を行っていた。おそらくここにシュレーターを加えると、戦後ドイツの生み出した先鋭的で過激な映画美学の見取り図が浮かび上がるはずだ。
渋谷哲也(ドイツ映画研究者)