草月ホール・シネクラブ vol.1
罪の天使たち Les anges du péché

2013年12月10日(火)
会場:草月ホール(青山)

罪の天使たち

罪の天使たち

罪の天使たち

草月ホール・シネクラブの第1回目として、ロベール・ブレッソン監督の伝説的な長編デビュー作を一日限定上映。フランス国立映画センターによる復元版35ミリフィルムで上映します。

■上映スケジュール
12月10日(火)
16:30-19:30-上映「罪の天使たち」(96分)
※当日15:00から整理券を配布します
※各回20分前開場予定です

罪の天使たち

罪の天使たち
Les anges du péché

監督:ロベール・ブレッソン
脚本:レモン=レオポルド・ブリュックベルジェ神父、ロベール・ブレッソン、ジャン・ジロドゥ
台詞:ジャン・ジロドゥ
撮影:フィリップ・アゴスティーニ
音楽:ジャン=ジャック・グリュネンヴァルト
出演:ルネ・フォール、ジャニ・オルト、シルヴィー、マリー・エレーヌ・ダステ

フランス映画(1943年度フランス映画大賞)/1943年/白黒/35ミリ/96分(フランス国立映画センター復元版)/字幕:寺尾次郎

ジャン・ジロドゥの台詞による罪と救済の物語
ロベール・ブレッソン監督の伝説的な長編デビュー作

戦後、演劇的表現を排した、シネマ(映画)ならぬシネマトグラフと称する独自の表現を確立し、ヌーヴェル・ヴァーグにも影響を与えた巨匠ロベール・ブレッソン監督の長篇第一作。
フランス演劇界の大御所ジャン・ジロドゥが脚本に参加。ドミニコ会女子修道院を舞台に、篤い信仰心をもち、使命感に満ちたアンヌ=マリーと不幸な犯罪に手を染めた若い娘テレーズとの対峙を通じて、修道女たちの葛藤、憎しみ、友愛を描く。

罪の天使たち

『罪の天使たち』のアイデアは、ブレッソンがドイツの捕虜収容所に入れられていた1940年に、スイス出身のブリュックベルジェ神父の勧めで読んだ、M・H・ルロング神父の著作「牢獄のドミニコ会修道女たち(ベタニ)」(1938)に基づくと言われている。
撮影は、1943年2月8日から4月にかけてラディオ・シネマ撮影所で行われた。
アンヌ=マリー役のルネ・フォールは、コメディ・フランセーズの正座員。1942年にクリスチャン=ジャック監督と結婚した。テレーズ役のジャニ・オルトは、ルーマニア出身で、ジャン・ルノワール監督の『どん底』(1936)などに出演している。
ブレッソン監督の長篇第2作『ブローニュの森の貴婦人たち』(1945)やジャン・グレミヨン監督の『白い足』(1949)、マックス・オフュルス監督の『快楽』(1952)など数々のフランス映画の傑作を手がけたフィリップ・アゴスティーニが撮影を担当。音楽は、『ブローニュの森の貴婦人たち』の他、ジャック・ベッケル監督作品等で知られるジャン=ジャック・グリュネンヴァルト。

罪の天使たち

ヴィシー政権下のフランス映画はある種の繁栄を誇っていたが、その「奇妙な繁栄」を支えたロベール・ブレッソンの長編処女作には、「繁栄」を遙かに超えた妖しい美しさがみなぎっている。
──蓮實重彦(映画批評家)

この映画の言うことを聞くのは、精神と心の非常な喜びである。感傷的な言葉も、学者ぶったところもない。あらわな感情の発露もなく、教理問答もない。偉大さと善意に満ちた人間の対話が、宗教的な雄弁といういかなる技巧もなく、魂を引き寄せ、絞めつけ、ときには、揶揄や優しさのより快い糧を、魂にそっと差し込みさえするのである。
──ロラン・バルト(批評家)〈「ロラン・バルト映画論集」(筑摩書房)より〉

ああ、素晴らしいフィルムだ。何から何まで素晴らしい──完璧なセンス、完璧な言語感覚!
──サッシャ・ギトリ(映画作家)

■トーク採録



■日本語字幕付き
■各回入れ替え制

■料金

一般=1400円
アテネ・フランセ文化センター会員=1200円

■会場

草月ホール
東京都港区赤坂7-2-21
(地下鉄・青山一丁目駅下車4番出口徒歩5分)
03-3408-9113

■主催

アテネ・フランセ文化センター

■後援

草月ホール